途中から、緊迫感のないサスペンスになってしまった。おすすめ度
★★★☆☆
嗅覚がテーマというのと予告編で見たパゾリーニの「ソドムの市」を思わせるスペクタクルな群集シーンが気になって、期待していたのですが、はっきり言って、がっかりな作品です。
出演者も脇は豪華で、CGも使われていますが、セットも豪華です。もちろん衣装もね。制作費はかかってそうですが、監督は知らないなと思っていたら、「ラン・ローラ・ラン」の監督だったんですね。
それにしても、最初はともかく、途中から緊迫感のない単なる連続殺人鬼の話になって、最後のオチも説得力も何もあったものじゃありません。
しかも例のスペクタクルシーンも何百人も使って撮った割には、全然生かされていません。マイタイさんじゃなくても、「モッタイナイ」としか言えません。
ラストなんて、究極の香水の最後の一滴がパリの繁栄の元とでも言いたいのでしょうか?下らない。センスを疑います。
小説だとまた違うのでしょうか?
なんとも言えぬ香りがおすすめ度
★★★★☆
映画で香りを取り扱うと、
必然的に香りの元を映像化しがちであろうか。
しかし本作品で取り扱うのは、
そういう類の香りではない。
人間そのものの香りに見せられてしまった男の物語だからだ。
香りに取り付かれて、ある日であった女性の香りを永久に残したい。
その願望に取り付かれて、次々と狂気の研究に没頭する日々。
後半になるにつれて強く漂ってくる妖しい雰囲気に飲まれてしまいました。
妖艶な匂いがよく伝わってきます。
おすすめ度 ★★★★★
中世パリの怖い猟奇的な物語ですが、なぜか実に魅惑的な要素を持っています。
映像から発する妖艶な匂いがよく伝わってきて、すごく印象に残りました。
この映画をみていて、まちがいなく香りが漂ってくるのを実感できます。それがすごいですね。
一歩間違えば酷い作品となると思いますが、微妙なさじ加減で印象を引き出しており、よくできた作品だと思います。
概要
スコセッシ、スピルバーグら多くの巨匠が映画化を熱望したベストセラーを、『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァが監督。数キロ先の匂いも嗅ぎわけるという、類い希な才能を持った青年グルヌイユが、香水調合師となる。究極の香りを求める彼は、その“素”として女性の肉体にたどりつき、次々と殺人を犯していくのだった。18世紀のフランスを背景に、シリアルキラーの物語ながら、映画全体にはどこかファンタジックな香りが立ちこめる異色作に仕上がっている。
グルヌイユが産み落とされる魚市場、一面の花畑と、誰もが感じるものから、「濡れたカエルの手の匂い」など不可解なものまで、その場の匂いが漂ってくるような映像が必見。女性の死体から香りを採取するために使われるマニアックな道具も見どころだ。これまでも映像と音楽の関係にこだわってきたティクヴァ監督は、クライマックスの大群衆シーンでその才能を発揮し、観る者の度肝を抜く世界を展開していく。匂いにとりつかれたキワモノ的主人公に、いつしか共感を誘われてしまうのだから、この映画、ただものではない。(斉藤博昭)